このブログでは最初master of orion2というサイファイ傑作ゲームの紹介をしてきました。
そんな中でも新作は発売され続けています。でもMoO2がこのジャンルの最高傑作であるという状況に変化はありませんでした。それは私が決めていることではなく、また日本の状況とは全く関係がなく、海外のユーザー、クリエーター、エディターの発言から判断している現状です。
そういう状況の中、どうしても振り払えない違和感を払拭するために始めた傑作ゲーム探しですがその結果はHeros of Might and Magic IIIというゲームとの出会いです。このゲームの面白さに関しては疑問を感じる段階を終えたのですが新たな疑問が湧いてきました。
なんで2作品共10年以上前の作品なの?
という疑問です。
その理由の一つは解っています。1990年代当時はストラテジーはお金になるジャンルでした。ところが今はストラテジーはお金にならないジャンルです。お金にならない、大手がお金を出さない、人材が集められない、さらにジャンルが縮小していくという悪循環です。これは間違い無い事実で、あの時代をストラテジーの黄金時代と呼ぶのは正しい評価だと思います。他の傑作シリーズもこの時期スタートした事から別な方面からも賛同が貰えると思います。
しかし、それでも10年以上過去作品を超える作品が現れない理由としては不充分です。まあ、その間に疫病とか大戦とかが起こって多くの人材が失われたのなら、ありかもしれませんがそんな事は起こっていません。
もう一つの理由は両作品が既に完成しているというのが理由になると思います、まだバグの残っているMoO2のような作品を完成しているというのは異論がある方もいると思いますが、ここではシステム自体の完成度を指すものとします。
システムが完成しているものの例を挙げますとD&Dから始まるロールプレイングゲームが解りやすいと思います。システムの根本的な部分は20年以上変わっていません。今は根本的なシステム開発よりも開発者の作家性の方が大事になってきています。
HoMM3もMoO2も下手にシステムを混ぜ返しても両作品を超えるのは無理のようです。
HoMM3の場合は基本は比較的シンプルなのでしっかりしたAIを用意して規模を大きくすれば少なくともHoMM3と比較してどちらが面白いか意見が割れる程度の作品は作ることは可能なはずですが現在までの試みは全て失敗というか大失敗に終わっています。
MoO2の場合は4Xという土台にこのシリーズ特有の楽しい仕掛けがあるのですが、4Xという概念が広まってしまった為にMoO2を構成する部品の一つに過ぎない4Xだけを土台にした作品が乱造されて、あるのは劣化CIVだけ、という目を覆いたくなるような状況になっています。MoO2を理解する上での難しさは複数構造になっているところなのに単層構造の4Xしか作れないメーカーは永久にMoO2を超える作品を作るのは無理です、ゲームの解説に4Xの単語が入った時点で駄目なのを見抜けてしまうのは悲しいですが事実です。
解りやすく書くとMoO2はライバル不在だけでなく、類似作品不在なのです。
MoO2は4Xであるというのは間違っていませんがMoO2の面白さの多くは4X以外の部分です。もちろん人によって感じ方は変わると思いますがプレイ経験を重ねると実感しやすいと思います。
その唯一の例外になりそうなのが新作master of orionなのですが今は箱があっても中身が無い状態です。はやくしてと言いたいところですが既に海外の一部メディアで死亡宣告されています。期待しないで待ちましょう。